今日も今日とて徒然草日記

Is life over, this life's over?
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...... 2023年06月19日 の日記 ......
■ (サイレント更新)新潟旅行   [ NO. 2023061902-1 ]
(世情を鑑み、後刻公開するもの)

粟島の朝。
朝食は07:30頃にしてるからそれに合わせて。

身支度してたらちょっと早めにお声がかかったんで外へ。

今日は別注の「わっぱ煮」をお願いしていた。
観光協会への支払とは別に、松太屋さんに1,000円払うとのこと。

会場は外。
昨日に引き続きいい天気で良かった。

わっぱ煮は粟島の郷土料理。
郷土というより漁師飯というのが適切かもしれない。
わっぱの中に焼き魚とネギと味噌とお湯を入れて、焼き石を入れて煮立たせる。

新潟県のHPとか粟島観光協会のHPとか色々紹介がある。
とりあえずここでは動画付きのページを。

粟島のわっぱ煮|地域|NHKアーカイブス
https://www2.nhk.or.jp/archives/movies/?id=D0004990375_00000

今回作ってくれたのは動画とちょっと違う部分もある。
まず水は流石に湧き水じゃなくて事前に用意したもの。

あと材料を入れる順番で、動画では水⇒焼き石⇒焼き魚⇒味噌だったけど、今回作ってくれたのは焼き魚⇒味噌⇒水(お湯)⇒焼き石の順だった。

流木で焚き火するところからしてほぼ現地調達。
魚と石を焼きつつお湯も沸かすという合理性の塊。

魚はこれと決まってるわけでもなく、その時々の旬の魚らしい。

今日の魚は聞きそびれたけどクロメバルかクロソイ、あとカワハギ。
カワハギが一番わかりやすいけどウマヅラかどうかまではわからん。

出来立ての味と魚から出汁がきいてきてからの味が違ってて面白い。
これで1,000円とか申し訳ないレベル。

作るのを手伝ってたおっちゃんから話を聞くに、粟島の石じゃないと焚き火で割れたり跳ねたりでできないらしい。
石は島外に持ち出せないから再現ができん。

というかこのおっちゃん、昨日車で迎えにきてくれたときにもいたけど、そもそも松太屋さんのご主人ではないような。
今更どちらさんですかとも聞けずに色々雑談をした。

ここから見える堤防では寒くなってくるとホッケが釣れるだとか、定置網に狙ってないマグロが入ったらできるだけ逃がさないと、大間での漁獲量が減って問題になるとかちょっと太平洋側の人間には想像できない話が聞けた。

ホッケとか釣り物という感覚が全くないんだよな。
場所が変わると釣り物が変わるのは当然ではあるけど、それを肌で感じることはなかった。

マグロ問題も興味深い話で、粟島で獲りすぎると青森にまで行き着く量が減るから獲らないようにするという。

ただ回遊魚なんかは泳がないと死ぬから、網に入った時点で死ぬ個体も多いとか。
それが安価で手に入るというのも面白い。

和歌山だと南紀勝浦辺りがマグロの産地ではあるけど、新潟のマグロも機会があれば食べてみたいと思った。

話逸れたけどわっぱ煮のボリュームも半端なく、わっぱ煮以外にも弁当一食分用意してくれてたから昨夜に引き続き満腹に。

部屋に戻って一服して、09:00に内浦まで送ってもらうことにした。

わっぱ煮の代金支払おうと思ったら「ああ、それはいいですよ、サービスにしときます。」と。

いやこれ1,000円でも安いんだけどほんまにいいんですか。
申し訳なくすら感じるけどお言葉に甘えさせてもらった。

09:00に松太屋を出発。

1組のご夫婦も同乗。
多分だけど松太屋には「離れ」があるらしいから、そこに泊まってたのかな。
お互い全く出くわすことがなかったから知らなかった。

運転してくれたのが朝食会場にもいたおっちゃん。
どうもこのご夫婦とは話す機会があったらしく、「くまさん」と呼ばれていた。

話の流れから察するにこの「くまさん」、粟島に頻繁に来ている常連さんで、別に松太屋のスタッフでも何でもない。

ご夫婦が「一年の半分ぐらいはいるんじゃないですか?」って笑いながら聞いたら、「流石に半分もいないね、多分。」みたいなこと言ってた。
ほぼここに住んでるようなもんか。

で、懇意にしてる松太屋の手伝いなんかもしているらしい。

どうやら昨日から松太屋さんのご主人は不在らしく、女将一人で切り盛りするのを手伝っていたとか。
ちなみにご主人がいなかったのは「免許証の更新で本土へ渡っている」という理由らしい。
これも自分には想像できない感覚だった。

途中、くまさんが「ちょっと特別にこっち通りますか」と言いながら横道に入った。
昨日見つけた遊歩道バス停のところ。

釜谷から内浦に行くルートが3本あるうち、1本が送迎車やコミュニティバスの通る最短の県道ルート。
もう1本が昨日歩いた南回りルートで、この遊歩道から入るルートは北回りルートらしい。

コミュニティバスで事前予約すれば北回りルートで観光もさせてくれるらしく、くまさんはそこを通ってくれた。

この道、他の観光地なら「○○スカイライン」と名前付けられてツーリングやらドライブで客を呼べると思う。
粟島はそもそも地元民以外の車が走れないから無理ではあるけど、サイクリングやらウォーキングでも十分。

途中、展望台にも停めてくれて写真も撮ったり。

他には「この道は両脇が桜の木なんで、桜の時期だと桜のトンネルの向こうに海が見えるんよ」とかもはやツアーガイドばりの説明をしてくれた。

ゆっくり走っても09:30にはフェリー乗り場に到着。
同じ客なのに送迎とガイドをしてくれたくまさん、ありがとうございました。

ここからはしばしソロ観光の時間。
昨日はできなかったレンタサイクルでの島一周にチャレンジすることにした。
フェリーは13:00発だから3時間は行動できる。

先ほど一緒に乗ってきたご夫婦は貸し竿で釣りをするらしい。
そういう選択肢もあるんだな。

レンタサイクルは電動アシスト付きをお願いした。
3時間で1,500円。

アシストなしは4時間以内500円と破格だけど、これまで見てきた限りアシストなしで一周は無謀な気がした。

コインロッカーに不要な荷物入れて09:50に出発。

ルートはさっき走ってきた北回りルートの逆走。
多分これ、またざつ旅と同じことやってる。

逆走ということもあって車で乗せてもらったのとまた違って見えるのも面白い。
さっき飛ばした展望台も一応立ち寄り。

途中、「バイオのトイレ」なるものを発見。

むらかみ・いわふね珍風景(珍風景番号90) - 新潟県ホームページ
https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/murakami_kikaku/1356757676173.html

要は下水道も汲み取りも不要なトイレ。
おがくずの中の微生物が分解処理するとのこと。

せっかくなんで使ってみた。
用を足した後はおがくず撹拌のために隣のエアロバイクっぽいのに乗ってペダルを漕ぐ。
面白い経験をした。

あとはひたすら周遊道の案内図標識を撮影しつつ走る。
全部書く気はないけど、タイムスタンプでいつどこを走ってたか思い返せるのは便利。

ただとにかく日差しがヤバいな。
ちゃんと水は持ってるし服も長袖長ズボンで対策してるけど、手にまで気が回ってなかったんで袖から先が焼け放題だった。

1時間ほどで県道分岐点に到着。
半周ルートならここから県道で内浦まで戻ることになる。

時間も体力も余裕があるんでさらに南下して釜谷へ。
わっぱ煮会場なんかをまた横目に見つつ、昨日歩いたルートを自転車でなぞる。

後はもう道も知ってるし気楽なもん。
南の海に抜けるまでがキツい坂だけど、電動アシストあるし変速も3段階あるから降りることなく走り切れた。

終わってみればアシストがないとどうしようもないレベルに感じたのはここともう一か所ぐらいだったと思う。
他はしんどくてもアシストなしの1速で何とかなったと思う。
やりたくはない。

出発から2時間、11:50にフェリー乗り場に帰ってきた。

まだちょっと時間あるんで近くにあるお土産屋を覗く。
粟島産の海産物やら色々あったけど、ここで買っても荷物増えるし小物だけにした。

結果的にこの判断は間違いで、粟島のお土産はこの後どこに行っても置いてなかったから現地で買うしかなかった。

空港やら駅やらで大概の物を買えてしまうという環境に慣れ過ぎてたのが原因。

一応、海洋プラゴミを加工して作ったキーホルダーと小物入れを買ったからお土産がないわけではないけど、もっと粟島にカネを落としていくべきだったと後悔している。

自転車返却して1,500円支払い。

朝もしっかり食べたから物凄く空腹というほどではなかったけど、何かしら軽食は食べとこうかなと思ってお土産屋併設のカフェに行ったら満席で無理だった。

これは今からフェリー乗る人じゃなくて12:05着のフェリーを降りてきた人たちだな。
そこまで読めなかった。

ちなみに店はここ。

CAFE&BAR そそど | 粟島観光協会
https://awa-isle.jp/shop/%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%A7-%E3%81%9D%E3%81%9D%E3%81%A9/

あとは最後の乗船受付して粟島滞在は終了。

何かこう、何をするでもなく行き当たりばったりで1日過ごしたけど楽しかったと思える不思議な時間だった。
仮に予定をパンパンに詰めて遊んで回ってもそれはそれで楽しかったんだろうと思う。

12:35、フェリー乗船。
13:00に定刻通り出港。

フェリーが離れるまで長いこと島の人が手を振り続けてくれて物寂しさを覚える。
また来るべき島だと感じた。
初めて奄美を訪れたときと近しい感覚だからきっとまた来ると思う。

岩船港到着も定刻通りの14:35。
乗り合いタクシーもすでに待っててくれたんですぐ乗り込む。

なお、昨日と同じく自分だけだった。
みんな岩船港までどうやって来てるんだろうか。

村上駅到着が14:50ぐらい。
ここから向かうは月岡温泉だけど、2通りのパターンを考えている。

まずは直近15:14発の普通電車に乗って月岡駅まで向かうパターン。
これは月岡駅から40分ぐらい歩くことになるけど、それでも最短で月岡温泉に到着できて現地でゆっくりできる。
最悪、歩くのしんどければタクシーで10分かからないぐらい。

別パターンがしばらく村上駅周辺観光をして、16:05発の特急で豊栄駅まで行くというもの。
豊栄駅は月岡温泉の最寄り駅ではないけど、特急が停まる上に月岡温泉行のシャトルバスが出ている。
村上観光も1時間ほどできる代わりに、月岡温泉ではほぼ何もできないぐらいの時間になる。

どちらも一長一短ではあるけど、やっぱり1時間ほどで村上観光は難しそうなんで最初のパターンで。
早めに動いた方が何らかのトラブルがあっても対応しやすいというのもある。

駅の売店で鮭の酒びたしというギャグみたいだけどガチな酒のあてを購入。
軽いし嵩張らない。

あと大洋盛という缶300mlボトルの特別純米酒を買った。

特別純米 大洋盛 - 大洋酒造 株式会社 | 新潟・村上の酒蔵 大洋盛
https://www.taiyo-sake.co.jp/item_detail.asp?vid=23

写真の一番右。
これ、デザイン的に面白くて、フタがお猪口の形になっている。

むしろこのデザインに惹かれて買ったというのが正解。
いい買い物をした。

15:14に村上発、途中の新発田で乗り換えて月岡着が16:04。

道中、明日のフライトまでをどう過ごすか考える。
まず14:10のフライトだから遅くとも1時間前には空港にいたい。
空港でお土産調達したり昼食済ませるならさらに1時間前、要は12:00ぐらいには空港に到着しておきたい。

となるとほぼ何もできないよなと。
月岡温泉から空港まで直行しても1時間はかかることを考えると、電車を途中下車して観光というのはまず無理。

せめてここから空港まで直通のバスでも出ていれば・・と思って調べたら、ちょっとした観光をしつつ空港まで行くバスツアーを見つけた。
09:40に月岡温泉発で新潟空港が12:10の予定。

もはやこれしかないぐらいの好都合なツアーなんで即決。
前日の17:00までにHPから申し込みで、1名からでも催行確定とか。
その場で申し込んだ。

ひと仕事終えたらちょうど月岡駅に到着。
乗りるときにドア横のボタンを押す方式だったんで押してみたけど開かない。

何ぞと思ったら一番前のドアだけ開いてる。
これはもしやボタン押さないと開かない上に一番前しか乗り降りできないという複合技か。
危うく乗り過ごすところだった。

駅を出ると今夜お世話になる旅館のバスが停まっていた。

月岡温泉 摩周 公式HP|新潟県の温泉旅館
https://www.masyuu.co.jp/

一組のご夫婦がまさに乗り込もうとしているところ。
なるほど、事前に相談すれば送迎もあったのか。

自分はお願いしてないし、とりあえずトイレ済ませて歩こうかなと思ってトイレを探すも見当たらない。
うろうろしてたらバスの運転手さんが「どちらかにお泊りですか?」と声をかけてくれたんで「いや、そちらにお世話になるんですけど私は送迎お願いしてないんで・・」って返したら「もしかして○○様ですか?宜しければご一緒にどうぞ。」と。

送迎予定じゃない客の名前まで頭に入ってるのか。
後で知ったことだけど、別に客はこのご夫婦と自分だけではなかった。

多分だけど、この日宿泊した客の中では自分が一番若かったと思われる。
それも下手したら他の全員が自分の倍、あるいはそれ以上の年代だったかもしれない。

それにしてもここですぐ客の名前が出てくるのは凄いことだと思う。

せっかくなんでバスにご一緒させてもらって旅館まで。
村上観光も興味はあったけど直接こっちに来て正解だった。

この摩周、少なくとも自分の感覚としては高級旅館に分類される。

普段安宿に泊まることが多いのもあるから特にそう感じるし、実際今回支払った宿泊代金は歴代で一番だったりする。
ぶっちゃけると税込37,400円で、期間限定セールで安くなって実額31,790円だった。

金額以上の価値があったことは送迎バスでのやり取りからも容易に想像できると思う。
設備的に綺麗なのはもちろん、サービス面が飛び抜けてるんだよな。

部屋も当然のように良かった。
シングルルームがないからツインで広々。

お茶で一服してから温泉街に繰り出す。
夕食は18:30でお願いしてるから食べ歩きなんかは難しい。

ちょっと歩くと酒屋があった。
新潟の全酒蔵を取り扱ってて、有料試飲できるらしい。

新潟県月岡温泉 新潟地酒 premium SAKE 蔵│月岡温泉旅館組合 新潟県新発田
http://www.tsukiokaonsen.gr.jp/kura/

600円でおはじき3枚受け取って、1枚で1杯。
普通に600円で3銘柄と書けばいいのでは、と思ったけど、ごく一部2枚で1杯とか3枚で1杯とかもあるみたいだからこういうシステムになってるっぽい。

92種類から選ぶから正直何頼んだか名前まで覚えてない。
一応すっきりしたものから癖の強いタイプにして、最後がウイスキー樽で貯蔵した日本酒だったのは覚えている。

サクッと飲んで旅館に戻って温泉へ。
この月岡温泉、エメラルドグリーンのお湯らしく楽しみにしていた。

ほんまにびっくりするぐらいエメラルドグリーンやな。
変な話、入浴剤でもこんな鮮やかな色のは稀。

泉質は硫黄泉らしい。
どんだけ鼻が悪くても温泉街に踏み入れた時点で硫黄は感じるし、旅館の中も硫黄の香りで満たされている。

硫黄泉は和歌山だと南紀勝浦なんかもそう。
エメラルドグリーンは初めて見るが。
勝浦は白濁。

明らかに肌すべすべになって笑う。
各地に美人の湯と銘打った温泉はいくらでもありそうだけど、月岡温泉の「もっと美人になれる温泉」というフレーズは納得。

18:30に夕食会場へ。
自分だけなのに個室が用意されてた。

お品書きを写真に撮ってるし全部書くのはしんどいから省略するけど、全てにおいてケチのつけようがない内容だった。

濁川産丸茄子と鱶鰭の夏野菜添えが出色。
台物の特選にいがた和牛しゃぶしゃぶもとろける。

アルコールは徒歩一分のところにある月岡ブルワリーの「月岡温泉湯上がりペールエール」をいただいた。

月岡ブルワリー(Tsukioka Brewery) - 月岡温泉のクラフトビール
https://tsukioka-brewery.jp/

あと地酒飲み比べのセット。
秀松朱・菅名岳・嘉山の3種類。
名前は覚えてたわけではなくて写真を残してたから拾った。

ちなみに注文は席からスマホでできる。
いちいち呼ぶことも呼ばれることもないから双方にメリットがあると思う。

ご飯と味噌汁のお代わりなんかもここからできるし、しっかりいただいた。
歴史ある温泉だけどこういう先進的なものを取り入れてるのはいい。
事前チェックインもそう。

最後の水菓子はお品書きに乗ってるもの以外に「今日は大変暑かったので宜しければ・・」とお茶アイスを出してくれた。

満足であった。

腹ごなしがてらお土産コーナーを覗く。
ここでもお茶を買った。

事前チェックイン特典で5%オフらしい。
代金は部屋にチャージ。

時間を空けて当然のように二度風呂。

タオル類が大浴場に備え付けられてて、毎回ご自由にお使いください方式なのが良い。
びちゃびちゃのタオルを何回も使い回すのは気持ちのいいものではない。

コストはかかってるだろうけど、おかげで何回でも入りたくなる。

日中の暑さとは打って変わって、露天風呂に出ると少し肌寒く感じる。
適度に冷ましつついつまでも入っていられる。

湯上りに昼間買った大洋盛を飲んで就寝。

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